北斗市総合文化センター視察

北斗市総合文化センター視察

2017年5月11日(木)

行政常任委員会の視察では、まずはじめに北斗市の総合文化センター(愛称「かなで~る」)を視察しました。

「かなで~る」の特徴と考察

利用しやすい環境

最も印象的だったのは、定休日がなく(年末年始のみ休業)開館時間が9時から22時と非常に長いという事です。また、住宅街の中にあるものの350台以上の車が駐車できる広い駐車場もありました。また、事前に登録している市内の団体であれば無料で利用が可能となっており、市民目線でみると大変利用しやすい環境が整っていると言えます。

反面、行政目線で見ると休館日が少なく開館時間が長いという事は、それだけ多くの人件費と水道光熱費がかかってくるということになります。また、事前登録さえすれば無料で利用できるという事は、利用料という貴重な収入源が無くなるということになります。

「かなで~る」の利用料等の年間収入は約400万円であるのに対し、(人件費を除く)維持管理費は年間で約7,000万円かかっているそうです。つまり、維持管理費用の約94%は市の予算からの持ち出しをせざるを得ないわけであります。

住民福祉や住民サービスの観点から、一定程度の持ち出しは当然致し方ないとは考えますが、本市の財政状況においてどの程度の持ち出しに抑えていくべきかの議論が必要であることを認識することができました。

 

他の施設にない特徴

 「かなで~る」には、1千人を収容できる大きなホールがあります。近隣市町村にここまで大きなホール機能を持つ施設が少ないことから、コンサートや演劇などのイベントで活用されることが多いそうです。

1千人を収容できる大ホール

個人的に最も驚いたのは、あまりにも立派なグランドピアノが誰でも弾ける(要予約)ということです。12,500万円もする外国製のピアノ1,500万円もする国産ピアノがありました。購入費用もさることながら、その分解整備に300万円もかかる高価なピアノがあるということは、音楽家の方々やピアノを習っている子どもたちにとっては、他では経験できない貴重な機会を得ることができる場になることと思います。

 他の施設との差別化という観点では突出しているし、子どもたちにいわゆる『ホンモノ』を体験できる場を提供しているという意味で意義深いとは思います。しかしながら、「本市においてはとても真似のできるものではない」ということは、多くの賛同を得られることと思います。

 

これぞ正に複合施設

 「かなで~る」には、ホールの他に大会議室や中会議室、小会議室(2室)、和室(2室)、サークル室、音楽活動室、調理室、展示室そして図書館があります。あらゆる文化活動に利用できる環境が整っていると言えます。

300人程度を収容できる大会議室

 

お料理教室ができる調理室

 

10万冊以上の蔵書がある図書館

 

平成28年度の「かなで~る」の利用者数は、のべ120,811人で北斗市の人口は46,390人(平成27年の国勢調査)ですから、非常に多くの方に利用されていることが分かります。1日あたりの平均利用者数は、図書館で65人、それ以外の部分で285人ということですから、施設の近隣の飲食店はさぞ繁盛していることと思ったのですが、「施設の近くで喫茶店を経営された方がいたものの残念ながら閉店してしまった」とのことでした。「本市の拠点複合施設の建設が予定されている場所の周辺には飲食店がほとんどないことから、何らかの形で誘致を進めるべきだ」というのが私の考えでしたが、そう簡単ではないことが分かりました。

多くの機能が備わっていることは便利であり、施設の魅力にもなり得ると感じると同時に、本市にすでにある機能(例えば大会議室であればホテルシューパロの宴会場が活用可能)も含めて新たに建設する拠点複合施設で補完しなければならない機能を精査することが必要であると感じました。 

 

今回の視察での学び

  1. 身の丈に合った施設でありながら、より多くの市民が利用したくなる魅力創出策(ソフト事業)を検討し提案していくことが重要である
  2. 受益者負担の原則と費用対効果の視点をもって維持管理計画について熟考していくことが重要である
  3. 人口構成比も勘案し、子育て世代だけでなく高齢者にとっても使いやすい施設としていく必要がある
  4. 拠点複合施設を中心として商業が盛んとなる取り組みを進めることが、地域経済の発展のきっかけとなると同時に施設の魅力になる